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カテゴリー「子どもの生活の中から」の検索結果は以下のとおりです。

人の気持がわかるには

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 「どんな子どもに育てたいですか?」と聞くと「人の気持がわかる、やさしい子」と答える方が多いですね。

 先日、茂木健一郎氏(脳科学者)のコラムを読んで「なるほど…」と感心させられたことがあります。それは…

 「人の気持がわかる」には、自己意識(自分が自分であると感じること)がなければならないのです。
それがいつ頃からあるか判断するのに「鏡のテスト」という物があり、動物の額にマークをつけて鏡の前に立たせ、マークを取ろうとする行為をする動物は、自己認識があるという証拠なのだそうです。
それで「ある」とわかったのは、人間、チンパンジー、オラウータン、イルカ、シャチ、アジア象、カササギ。人間は1歳半〜2歳でわかるらしいのです。

 茂木氏いわく「自己は他者との関係性によって見出され、育まれていく」

 ですから、親の願いとして「人の気持がわかる、やさしい子」を望んでも、お勉強の詰め込みばかりして他者と関わることが薄い子どもは、理論ではわかっても実際の心の動きは「人を思いやる」ことまではなかなかいかないのでしょう。
 
 白梅幼稚園では、幼児期は子供同士で遊ぶ中で、成功や失敗を重ね、人間として「生きて行く力」を育もうと、先生達はいつも話し合っています。

班編成(年長)

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 白梅幼稚園では、年少から「何事においても自分(達)から」ということを大切にしてきています。
 その例のひとつとして、年長の阿部先生から聞いた「班作り」の様子をご紹介しましょう。

 例年、クラスでは5〜6人ずつのグループ(班)を作ります。
グループがあると毎日の活動がしやすいので、阿部先生も早く作りたいと思っていました。
 先生から提案することは簡単ですが、阿部先生は子ども達から「作ろう!」という言葉をじっと我慢して待っていました。

 最初の頃は、好きな子と並んで食事や製作等していました。楽しくて、それはそれで良いのですが、しばらくして話し合いの場やお休み調べ、やかんを取りに行く当番等で、子ども達はグループの必要性を感じて来たようです。

 やがて…
「阿部先生、グループ作ろう!」とN君が言い出しました。
阿部先生は「待ってました♪」と思いましたが、それはおくびにも出さず、それぞれの意見を聞いてみました。

【ない方が良い派】
・いつも仲の良い友達と一緒だと楽しい等々…

【ある方が良い派】
・ゴチャゴチャでわかりにくい。並んでいるときれいに見える。
・当番等便利…

【それなら、好きな人だけでグループを作るのはどうか】
・たくさんの友達と仲良くなりたいから、それではだめ(その理由…休んだ時、誰と遊んでいいかわからない)

…ということで、作ることに決定しました。
 班員は前年度の担任からの情報を得て(友達関係、性格等)、今回は阿部先生が決めました。
 男の子が多くて「男班(おとこはん?)」が必ずできるので、去年「男班」の子は「混合班」とか…

 グループ名は自分達で「果物」と決まり「ぶどう」「オレンジ」「バナナ」「メロン」の4つになりました。メデタシ…メデタシ…

不安

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【画像:①おままごと ②ダム造り 
   ③広告紙ください ④ホールお休み】

 朝の自由遊びの時に、○子ちゃんが「嶋田先生…」と声をかけて来ました。
いつも元気な○子ちゃんですが、今日は元気がありません。
「あのね…ボソボソ…」
声が小さくてよく聞こえないので
「もう少し大きな声で話してくれる?」
すると、ものすごく大きな声で
「今日ね〜!お父さんとお母さんが…!」
私はビックリして
「もうちょっと小さい声でお願いします。」
「……(全く声になっていない)」

 子どもは声のボリューム調整が苦手です。「大→小」ではなく「大」か「無」なのです。
「大」のボリュームを我慢して話を聞いたところ…

 ○子ちゃんのお父さんとお母さんが朝ご飯を食べながらケンカをしたとのこと。○子ちゃんは不安を感じていたのでした。
 私は「だいじょうぶ、ケンカするほど仲が良いって言うから、夜にはきっといつものように仲良くなってるからね。」と、軽く答えました。

 ちょっとした言い争いでも、子どもはとってもとっても不安なのです。楽しいはずの幼稚園でも、遊びに集中できません。
 お父さん、お母さん、お願いですからケンカしている姿を子どもに見せないでくださいね。

 その後、気分をそらす会話をして帰り際、○子ちゃんはいつものように私のオッパイにタッチして笑いながら逃げていきましたから、元気な○子ちゃんにもどったようです。よかった♪
 (お父さん、お母さん、夕食はいつも通りに仲良くお願いしますね!)

【園長先生から】
 園長先生が中学校に勤務していた頃に、保護者にお願いしていたことは…
 夫婦喧嘩や親子喧嘩等があり、本人が嫌な気持で登校した時は、学校にひと言電話をいただければ、その子の様子を注意して見て何事もなく一日過ごせる様に対応していけるということでした。
 もちろんプライバシーは守りますので、登園の際に園長や担任にひと言話してもらえるような関係を保護者と築きたいと申しておりました。

食べさせてあげる♪(年少)

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 【画像:5月18日のおやつの様子】

 年少組の2回目のお弁当の日のことです。
 なな子先生が「M君は、とってもやさしい子なんですよ。なにしろ、人のお世話をするのが大好きで、私にご飯を食べさせてくれるんです。」と、嬉しそうである反面、ちょっと困ったような顔をするのです。
 よく話を聞くと…

 M君は箸使いがとても上手で、なな子先生のお弁当のおかずを箸でとり、なな子先生の口に入れてくれるのだそうです。アスパラまでも1本1本上手にですよ!
 ところが、子どもは「噛む」「飲み込む」という間(ま)がわからないので、次々と入れてきます。噛んでいても無理やり押し込んできます。バナナは唇に「ムニュー」と、つぶれるほど押し付けてきます。
 そこで、あかね先生が「なな子先生のほっぺ、パンパンだよ。」と伝えたところ、M君はなな子先生のホッペを押して噛むことまでも手伝ってくれました…(笑)

 一日目も2日目もそうだったので、3日目も…と思っていたら、3日目は他に興味が行ったらしく、全く来なかったそうです。
 なな子先生は「口の中が忙しいのはつらいけど、食べさせてもらえないのは寂しいです…」と言っていました。
 
 影の声「なな子先生、介護されるのはまだ早いですよ〜!」

お店屋さんごっこ

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 今、年長組では「お店屋さんごっこ」がブームです。ゴールデンウィークで経験して来たことを活かしているかのように、いろんなお店屋さんがあります。

 そこに年少・年中児がお客さんでやって来ました。
①おそば屋さんのお椀を、何度もわざとひっくり返しては友達と笑い合い楽しんでいる年少の女の子(画像:左上)。
②くじ引きコーナーでは、くじを引いて当たると、自分達で作ったカードがもらえるのです(右上)。
③コーヒー屋さんになり、コーヒーを勧める年長男の子(左下)。
④そのメニューは、よく見るとなかなか愉快です(右下)。
「こひい(コーヒー)」「からぴす(カルピス)」「かるぴる(カルピス)」「ぼナナ(バナナ)」「コラ(コーラ)「イちご(苺)」…
幼稚園では、まだ字が書けなくて当たり前です。それでも、うろ覚えの中から一生懸命字を書き、作ったメニューはとても可愛いですね♪

 棚も自分達で置き場所を決めてきれいに片付けました(エライ!)。

 お客さんになるだけでなく、中に入ってお店のお手伝いをする年少児もいます。
 
 みんな生き生きと、本当に楽しそうでしたよ♪

お店屋さんごっこ(写真集)

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 大繁盛で、よかったですね♪

母の日

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 【画像:5月11日月曜日の自由遊び中の子ども達と、年中女子のお母さんの絵】

 5月10日(日)は、母の日でした。
お母さん、我が子が書いた「お母さんの顔」の絵をいただきましたか?絵の中のコメントには、どの子もお母さんへの感謝と「大好き!」の気持が載っていました。
 子どもは、お母さんが家事をする姿を本当によく見ています。特に「お料理作ってくれてありがとう」の言葉が一番多いと感じました。
 また、お母さんを触った時のやわらかい感触も大好きみたいですよ―♪

 年長担任の阿部先生から、こんなステキなお話を聞きました。

R男「お父さんはネ、お母さんがとっても可愛いから結婚したんだって!結婚する時にお父さんは、幼稚園の砂場のダイヤモンド(キラキラした砂)よりも大きなダイヤの指輪をお母さんにプレゼントしたんだよ。」

 家族でこのようなお話ができるってステキですね♪
(子どもにとっては幼稚園の砂と本物のダイヤモンドとは、同じくらいの価値だということもわかり、先生達は感激しましたよ)

子どもの会話

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 ①ブロックで遊びながら、大きな声で数を数えていた二人組
「ひとつ…ふたつ…みっつ…よっつ…ごっつ!」…5…?!

 ②3人で預り保育の時に
A君「さんぽっちでよかった〜♪」
なな子先生「サンポッチ?!」
3人で「ひとりぽっち…ふたりぽっち…さんぽっち!」

③B子ちゃん「うちにおじいちゃん、いるんだぁ♪」
 C君「うちもおばあちゃん、まだ生きてる…」
 先生の心の中(まだ…って、子どもは悪気はありませんから…)

④年少組で
あかね先生「今日は、おみやげあるよ♪」と手紙を見せて…
子ども達何人も「もちは?」「モチは?」「餅!」
 (開園記念の祝いの紅白まんじゅうが、よほどうれしかったようです。)

なな子先生―年少組との関わりの中で―

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 なな子先生は、市内のM幼稚園の主任先生として長く勤め、昨年度より白梅にいらしたベテランの先生です。
 ソフトな雰囲気が子ども達には好評で、いつもたくさんの子がくっついていますし「なな子先生は?」と、探しに来ます。
 そんなやさしいなな子先生の『やさしさ』が裏目に出てしまったお話を2つ。

 【その1】
 年少のT君が砂場の砂を運び出しているのでわけを聞くと
T君「象さんにご飯あげるの」
と言いながら園庭の隅にある像の置物の前で、黙々とお料理をし始めました。(象の置物にご飯をあげた子は初めてですよ!)
 なな子先生は、T君のあまりにも可愛い行動にちょっと聞いてみたくなり
「何のお料理なの?」
T君「草」
なな子先生「草???」
そこでもう一度聞いてしまったのです。
するとT君はぶっきらぼうに
「…そっとしておいてよ…」
なな子先生は心の中で
「せっかく自分の世界に入って遊んでたのに…ごめんなさい…」
 (※実は、象の餌は「草」で正しいんですよね。)

 【その2】
 また、同じ日のことでした。
 オシッコをしたいと言って来たC君(毎年、春頃は子どもが慣れていないので先生がトイレにもついて行ってお手伝いします)。
 いつものようになな子先生が付いて行くと、ひとりでし始めました。ところがズボンにオシッコがかかりそうだったので、下ろしてあげました。
 するとC君は冷静に
「先生、下げないでよ」
なな子先生は心の中で
「余計なおせっかいだったのネ…失礼しました…」
(その後、あかね先生が上からトイレを覗いたら「見ないでよ!」と言われたとか…笑)

 「今年の年少さんは、何でも自分でしようとする子が多いですし、自己主張ができてすごいですね」と、なな子先生は相変わらずのソフトな雰囲気の中、笑顔で話してくれました。

 ちなみに白梅幼稚園では、若い先生は「名前」  10年以上のベテランになると「姓」で呼びますが、なな子先生は前のM幼稚園でもそうですが、研究会等、他所の幼稚園の先生方にも「なな子先生」で呼ばれているので例外となりました。

この世で最も美しいもの(年長)

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 【画像:年長児達】

 年長担任の阿部先生から聞いたお話です。

 R子ちゃんは、最近白梅幼稚園に転入して来ました。
R子ちゃんは、その前は外国の幼稚園にいたので日本語が全くわかりません。しかも母国語が英語ではないので、私達も単語すら話す事ができないのです。それでも阿部先生は持ち前の明るさでR子ちゃんに関わっていたのですが…

 一日目は明るい笑顔の女の子でしたが、段々言葉が通じないことで、時々寂しさを感じて涙を流すようになりました。
 先生達はどうしたらR子ちゃんが楽しく登園することができるか考えました。

・これから日本で暮らすので、日本語を覚えて欲しいから、先生達がその国の言葉を勉強するのは本末転倒ではないか。
・しかし、悲しい顔をしている時に、一言でも通じる言葉で声をかけられたら嬉しいのではないか。
…等々話し合い、とりあえず挨拶や簡単な単語をメモし携帯することにしたのです。
 
 ところが、そのメモが必要ないと感じることがありました。
 R子ちゃんは、同じクラスのM子ちゃんと母国語でペラペラ話し、笑い合って楽しそうに遊んでいる光景を目の当たりにし、阿部先生は驚いてしまいました。
「どうしてM子ちゃんは言葉を知っているのかしら?」
阿部先生は近くに寄って聞いてみました。
 何とM子ちゃんは言葉を知っているのではなく、その国のイントネーションや雰囲気をマネて話しているだけだったのです。
 でも、二人はまるで通じているかのように楽しそうに会話をしながら遊んでいるのでした。

 この話を聞いた時、私(事務)はへレン・ケラーの言葉を思い出しました。

 “この世で最も美しいものは、目で見ることも、手で触ることもできないものです。それは心で感じるはずのものなのです。”

 M子ちゃんのやさしさを、R子ちゃんは雰囲気で感じて、心を開いたのですね。
 大人になると、言葉が通じないとあきらめて離れて行ったりするものですが、子どもの心は美しく、勇気があると感動しました。
M子ちゃんのお陰で『この世で最も美しいもの』を感じることができたと、私はちょっと得したような気持になりました♪

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