実習生
- 2009/10/02 12:11
- カテゴリー:子どもの生活の中から
今、白梅幼稚園には実習生が2人来ています。M県M短大のS子さんと、S子さんより1つ年上の岩手県M大学のH子さんです。二人とも白梅幼稚園の卒園児なのです。
当時はどこの幼稚園も2年保育が主で、3歳児から入園できる幼稚園は少なかったと記憶しています(現在の満3歳児入園と似ています)。
今でこそ少子化で1クラス20〜30名くらいですが、当時は40名以上、しかも各学年2クラスずつありました。
そんな中、在園児の弟妹がいる保護者から「下の子も入園させて欲しい」と言われ、当時の園長先生の鳥取和子先生(現名誉園長)が、職員室の隣の小さな部屋にじゅうたんを敷き、可愛い動物イスをそろえて3歳児を預ることにしたのでした。クラス名は「ひよこ組」。専任の先生ももちろんいました。
S子さんは、その2期生になります。
私(嶋田)が幼稚園に勤め始めた時に、S子ちゃんが入園して来たのでした。
S子ちゃんは身体が小さくて、入園したての頃は「お母さんと離れたくない」と、大きな目に涙をいっぱい溜めて一ヶ月以上も泣き続けました。その間、私はS子ちゃんを抱いて外を眺めながらお母さんがお迎えに来るのを待ちました。
私は初めての体験だったので「幼稚園とは毎年こんな感じなのだ」と思っていましたし、前にも書きましたが、私は2人目の子どもを亡くしているので、こうしてS子ちゃんを抱くことが苦痛ではなく、むしろうれしかったことを覚えています。
…ところが、後にも先にも…これほど長期間泣き続けた子はなかったのです。今だから言えますが、私の幼稚園勤務の中でS子ちゃんはNO.1に浮かんでくる子でした。
そのS子ちゃんが「幼稚園の先生になりたい」と実習依頼に来た時は、うれしかったですね。
小さかった身体は大きくなって、面影はそのままに、きれいな娘さんになっていました。
あんなに泣いていた顔は笑顔で、恥ずかしがり屋でほとんどしゃべらなかったのに、今ではハキハキと受け答えするのを見、その成長ぶりに驚きすら感じました。
後は、今の私は…S子ちゃんが自分の夢を叶えて、立派な幼稚園教諭になることを祈るだけです。